どのような費用がかかるのか
「弁護士の報酬」とは
事件を委任していただいた場合の弁護士の報酬の計算方式には、
- ①着手金+成功報酬、
- ②手数料、
- ③タイムチャージ
という3つがあります。
また、このほかに、「実費」と「日当」がかかる場合があります。
①が主な方式ですので、主にこれについて説明をしましょう。
①着手金+成功報酬について
1.この計算方式を使う場合
着手金というのは弁護士が事件に取りかかるときにいただくもの、
そして成功報酬とは事件が成功した場合にいただくものです。
この①の方法は、依頼者の方の望んだ結果が得られたかどうかに応じて金額が違って来る点に特徴があります。訴訟や通常の交渉の場合など、多くのケースでこの計算方式を使います。
それぞれの金額は、当事務所の報酬規程に従って計算致しますので、以下ではその説明を致します。ただ、事件をご依頼いただくときには、この報酬規程についての計算について十分にお話をし、ご意向もお聞きして、その内容を記載した委任契約書を作成しています。
2.着手金とは
ご依頼いただいたときにお支払いいただくものです。「争いの額」にほぼ比例した金額で計算するのですが、事件の難しさなどによって3割の増減をします。具体的な金額で説明しますと、次のとおりです。
100万円を請求する裁判 | 8万円(±3割) |
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1,000万円を請求する裁判 | 59万円(±3割) |
1億円を請求する裁判 | 258万円(±3割) |
「ほぼ比例」と言いましたのは、金額によって比率が変わって来る(額が大きくなるにつれて比率が下がる)からです。詳しくは〈表〉をご覧下さい。
3.成功報酬
ご依頼いただいた事件がうまく行ったときに支払っていただくものです。その金額は、大ざっぱに言いますと、「着手金の倍」です。上の例ですと、1,000万円を請求する事件で全額回収できれば成功報酬額は118万円(±3割)となります。もっとも成功は100パーセントとは限りませんから、例えば800万円だけ回収できたという場合には報酬は98万円(±3割)となります。
4.事件の種類ごとの着手金と報酬
②手数料や③タイムチャージについて
これらは、事件の「成功」ということとは関係なく支払っていただく方法です。
例えば契約書の文案を作成する、相続放棄の書類を作って家庭裁判所に提出するといった事件の場合には、②の手数料の方式で計算します。自己破産の申立てといった場合にも、通常はこの方法で計算します。支払時期は協議のうえ決めさせていただきますが、着手金と同様に、最初にお支払いいただくことを原則としています。
③のタイムチャージは、作業に相当の時間を要する事件の場合などに用いられる計算方式で、その事件にかかわる仕事をした時間あたりいくらという計算をする方法です。企業買収や倒産事件などの場合は用いられることがあります。成功報酬と併用する場合もあります。当事務所の弁護士の場合、この方式を使う場合の1時間あたりの金額は、2万5,000円から4万円ほどです。
実費と日当
1.実費について
事件の書類に必要な金額は、実費としてご負担をお願いしています。裁判所などに支払うもの(印紙代、予納郵券代、鑑定費用、裁判記録の謄写の費用など)と、当事務所の費用(交通費、郵送費、登記などの資料の取り寄せ費用、裁判所などに提出する証拠などをコピーする費用など)があります。実費、あるいはあらかじめ取り決めた定額でお願いしています。
2.日当について
日当とは、出張をする場合にいただくものです。近畿圏内を出る場合、片道1時間以上の地域に行く場合、宿泊を伴うことになる場合などに、あらかじめ取り決めた日当あるいは半日当をお願いしています。
顧問契約の勧め
顧問契約とは、一定の期間、一定の顧問料をいただき、その間の法律相談やアドバイス、契約書のチェックなどをさせていただく関係です。裁判などになった場合には着手金や成功報酬をいただくことにはなりますが、その金額も顧問先としての割引をした金額になります。
顧問料の額の目安は、1ヶ月5万円以上(消費税別)です。もっとも相談などの件数の見込みによって違って来ますし、個人の方の場合にはもっとお安くなります。
頻繁に法律相談などがある場合や、ある程度定期的に裁判がある場合などには、顧問契約をお勧めします。単発の代理人ではなく、「顧問弁護士」と名乗るほうが交渉なども有利に進みます。顧問弁護士がいるということは、経営にとって大きなパワーになります。